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観ないとソンダと思ったので

だれでも発信できること自体が良いことと聞いたので、美術展や映画、音楽などの感想など書いてみます。

ボブ・ディランが英語学習に効果的な7つの理由(その4~7)

ボブ・ディランが英語学習に効果的な7つの理由」前回の記事の続き、残りの4~7つ目の理由をまとめて。

 

4.歌詞を英語として学習するためのリソースが豊富

曲の歌詞で英語を勉強しようとするなら、これは大事な点です。

昔は、歌詞カードと対訳を比べながら英語辞書片手に、音源を聞くという、なかなかにややこしい作業が必要でした。歌詞カードだけ持ち歩いて、電車で読んだりしたものです。しかし、今は、インターネットがあるので、歌詞は全て公式サイトで手に入るし、スマホでも見られますから、ずいぶん便利になりました。

ボブ・ディランの場合は、何しろボブ・ディランですから、膨大な楽曲の歌詞が全て公式サイトで検索できます。

Albums Archive | The Official Bob Dylan Site

また上でも挙げた、Geniousというサイトでは、歌詞の背景がユーザによってシェアされています。

genius.com

携帯音楽プレーヤーやスマホに曲を入れておいて、聞きたいときに、その場でどんな曲でも歌詞が見られるというのは、実際非常に便利です。ボブ・ディランの場合は、名実ともにいわゆるトップアーチストですので、そのリソースの充実度は完璧です。

ディランは、ホームページ開設もかなり早く、サイトのデザインなども常に最先端な印象があります。レコード会社としても、ボブ・ディランというアーティストを一種のアイコンとみなして、メディアでのデザインなどにも力を入れているのでしょう。

ちなみにディラン本人は、歌詞を見ながら曲を聞くというのは、曲の勢いをそぐことになるという理由で嫌がっていて、アルバムに歌詞カードも付けないのですが、日本人が英語詞を理解しようとするなら、歌詞を見ながら曲を聴くのは必須でしょう。一旦覚えて、歌詞を見ないでも聞き取れる、意味が分かるようになると、これまでとは全く違った曲の表情が見えてきます。

このように、原典というべきリソースは完璧な上に、ディランの場合は日本語での学習に関しても、訳詩集、解説教材などがあります。

訳詩集の場合は、絶版なのか、全詩集がバカ高くなっているので、これは今買わなくてもよいでしょう。日本版のCDを買えば、訳詩はついてますし、ノーベル賞をとったのですから、改めて最新の訳詩集がいずれ出るものと思います。 今の時代であれば、ネット上で見られるのが一番だとは思いますが。

また、訳詩はあくまで参考というか、ボブ・ディランの場合は歌ですから音が合わさって成立するもので、訳詩だけを読むのはまた別の楽しみ方ということになると思います。英語のわからない箇所を参考のために見るような感じでしょう。

その他、英語の勉強というところより、もっと深く入って文学としてのボブ・ディランの英語に興味をもつなら、下記のような書籍も最近話題になっています。

ボブ・ディランに吹かれて(仮) | 彩流社

このように、単に歌詞を覚えて歌うだけでなく、一旦知ろうと思えば、より深く入っていくためのリソースが用意されていることも、その英語を学習していくモチベーションに繋がるのではないでしょうか。

 

5.外国人と共通の話題ができる。

英語を学ぶ上で、ネイティブ、あるいは他の国の英語学習者と会話をすることは一番大きな楽しみの一つだと思います。

しかし、初対面の相手との会話では、日本人どおしでも話題を見つけるのに苦労することもあるくらいで、それが英語となると、なかなかのハードルです。

なにか特別なシチュエーション、たとえば、事故で遅れている電車を待っているとか、同じ作業を協力してやる必要があるとか、飛行機で隣り合わせで目的地が同じとか、そういう場合であれば、その状況が共通の話題になりますが、特にそういうものがなく"Hi" "Hi"で始まる会話では、最初は自己紹介とか出身地の話とかで間が持ちますが、それも最初だけで、すぐに話題に詰まります。

そこで音楽の話なんてしてみて、相手も同じ趣味だったりすれば、曲名やアーティスト名を並べるだけで、結構盛り上がれるでしょう。

そういう意味では、英語圏でのボブ・ディランは年代問わず誰でも知っているという幅広さと、本人にまつわる歴史や逸話、作品の多さから、かなりディープに話ができるという深さの両方を持ってると言えるのではないでしょうか。

個人的にも、アメリカ人、カナダ人、オーストラリア人、イギリス人に対して、ボブ・ディランの話題を持ち出したことがありますが、知らない、興味ないという反応はまずなくて、"He is sad"、"He is difficult"というようなものも含めて、必ず何かのコメントは返ってきました。"He is sad"というのは”Knockin'on the heaven's door”なんかのイメージでしょうか。

実際は、音楽はあまり知らなくても、英語圏では文化的な存在として"Bob Dylan"という名前にはちょっと特別なニュアンスがあるような気がします。
昔、遊びに行ったサンノゼの友人のうちでは、家族全員が音楽好きで、家族でボブ・ディランブートレグのライブ録音の話などしていました。

その友人はディランよりニール・ヤングが好きで、その兄はボブ・ディラン派。野球を見に行く車の中で何をかけるかで争って、結局行きはボブ・ディラン、帰りはなぜかグレイトフル・デッドになった思い出があります。

 

6. 圧倒的な物量で読み尽くせない(はまると抜けられない)

本当のことを言えば、英語を好きになるきっかけになれば、誰でも自分が好きなアーティストが一番なのですが、それでも、やっぱり絶対的な量というものはあります。

短命、あるいは寡作なアーティストだと、英語教材としては限りがあります。

その点、ボブ・ディランは次のアルバムで38作目。とにかくコンスタントに半世紀以上作品を出し続けて、しかも同時進行でブートレッグシリーズがリリースされていくので、曲数は増えるばかり。どれくらいになるのか、公式サイトの曲一覧では現在のところ653曲ありました。

Songs | The Official Bob Dylan Site

ひとつひとつの歌詞の量も内容も相当の手ごたえですから、日本人が英語を勉強する教材としては一生付き合っていけるものでしょう。

このボリュームは、逆に、ボブ・ディランにはまると抜けられなくなるといわれる原因のひとつでもあります。

 

7.英語という言語を好きになる。

最近では、 語学の勉強は良い職を得るためとか、昇進のためとか、グローバル環境で活躍するためとか、そんな理由もあるようですが、個人的には、語学をそういった見方だけにとどめておくのはつまらないと思います。

語学を勉強するのは、異なる文化そのものを、自分の頭や体にとりいれたり、自分がその文化の中に入っていこうとする行為だと思います。その摩擦や違和感も含めて、驚きや自分の変化が面白いし、その異なる文化を持った個人や作品とのコミュニケーションが面白い。

学習のきっかけは、必要に迫られてというケースもあるとは思いますが、その場合でも、その文化の中に自分が心から好きになれる存在があれば、とてもラッキーだと思います。もちろん、それは自分にとっての特別な存在ですから、歌手でも作家でも映画俳優でも、その人それぞれです。

僕の場合は、ボブ・ディランが英語を好きになった理由のひとつと、はっきりと言えますし、常にボブ・ディランの英語が日常の中にあって、仕事で自分の英語がどんなに拙いか身に染みたときでも、英語ネイティブとのコミュニケーションがうまくいかなかったときでも、ボブ・ディランを聞いた時、その同じ英語で歌われる歌に勇気づけられたり、救われたりします。

そんな存在がボブ・ディランなのだと、そんな風にしてボブ・ディランを聞いている人が、世界中にいるのでしょう。

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最後に、今年に入って日本だけの企画として個人的に大ヒットな、ボブ・ディラン日めくりカレンダーを紹介しておきます。

毎日1フレーズのボブ・ディランの歌詞と、レアな写真が楽しめるという、考えたの誰?!直接お礼を言いたい!くらいの企画。

毎日、1フレーズ覚えるだけでも、ほら、ボブ・ディランで英語が上達します!

dylancalendar.com